屋久島旅行記 2日目 楠川分かれ〜縄文杉編
9:20
ここが1日かけて縄文杉へ向かうルートとの交点。
話に聞いていた通り、トロッコの線路が走っている。
線路の一部が工事中だったので、今日は走っていないらしいけど、
走っているトコッロ見てみたかったかも。
ここで左に行けば荒川登山口。
右に行けば縄文杉。
迷うことなく右に向かう。
このトロッコ道、
今は線路の間に木の板が置かれ歩きやすいけれど、
以前はなかったらしく、橋の上も枕木を歩いたらしい。
試したい気もしつつ、置かれた木の板に感謝。
行きは大丈夫だろうけれど、帰りは厳しいだろうなぁ。
しかーし、このトコッロ道が実に長い。
距離はそれほどでないかもしれない。
でも、風景に変化がないのでただただ前を向いて歩くだけ。
気持ちの面でくたびれてきた。
あまりに人を恐れないヤクシカだけが気分転換になった。
この島の動物たちはあまり人を恐れない。
おい、おい、君、大丈夫かね?と問いたくなるくらい恐れない。
オレが腹ペコオオカミなら間違いなく食える。
この距離感は餌付けされたから?
それともうまく共存できているから?
もし後者だったらこんなに嬉しいことはないのだけれど。
果たしてどうなんだろう。
初めにこのトロッコ道を歩いていたなら、
そんなに苦痛にならなかったかもしれないけれど、
白谷雲水峡からもののけの森までいろいろなものに感動しながら来た後なので、
どうしても物足りなさを感じてしまう。
帰りはこの道がもっと長いのか…ちょっと辛いかも。
ようやくたどり着いた大株歩道入口。
これから先はけっこう渋滞しているようなので、
トイレもここで済ませ、
給水ポイントもあるので顔を洗い、
空いたペットボトルにお水を汲んでおく。
予想通り、500mlのペットボトル2本がベストやった。
2本空く前に次の給水ポイントにつく。
これ以上はいらんかな。
せっかく綺麗な水が湧き出しているので、
腕にまいた石も洗っておく。
首から提げた石も洗っておく。
天然石は時々、
綺麗な水で洗ってあげないと濁って力を発揮しなくなるっていうからな。
実際、洗ってから石はすごく綺麗になった。
汚れとかでなく、透度が増した。
顔も洗ったし、元気でしていこう。
10:19
振り返ると登山口。
初っ端からハードルが高い。
気持ちがくじけそうになるね。
しかもそこの看板には
「日帰りの人は10時までに通過してください」の文字がある。
えっと時間は?
携帯を見ると10時20分。
……うん。四捨五入したら大丈夫だね。
前向きに捕らえ、軍手をはめて、いよいよ登山開始。
いきなりかなりの急坂。本当に登山なんですけど。
岩や木を握らないと登れない。
どうしても首から提げた一眼が気になるので、
片手の作業になるのだけれど、
これがまたしんどい。
岩がむき出しの道と、
木の階段やらハシゴやらをどんどん進みたいところだが、
レンタルした靴が妙にスベるんよな。
これのせいで疲労したのは間違いない。
木との相性が最悪。
ゴアテックスってことで借りたのになんか底が駄目な感じ。
ってなんでサイズがなくて1000円のヤツにした幸ちゃんがスベらんの?
オレの1500円やったのに!!
やっぱり登山靴買おうかなぁ。
10:52
わずかな距離しか進んでいない。
なのにかなりの疲労を抱え、目にした倒壊した樹。
かなりでかい。
危険防止用にロープまで。
そこで思い出した。
9月10日に1本の屋久杉が幹折れしたってニュースがあったことを。
これがあれか?
近づいてみると、そこには翁杉の看板。
ああ、やっぱりこれが幹折れした翁杉だったんだ。
樹齢約2000年で老化が進んでいたという屋久杉。
ちょうど紀元暦が始まることからここにあった杉かぁ。
そう思うと感慨深いものがあった。
それにしても自分、それなりに体力あると思ってましたが、
とんだ思い上がりでした。
すんません。
大自然のなかで謝りたくなる。
足元は滑るはカメラは気になるはで、もういっぱいいっぱい。
10:58
もうバテバテでたどり着いたウィルソン株。
ガイドさんを中心に記念写真の撮りあいになっている。
休憩している人も多くてにぎやか。
「とりあえず先に進んで、帰りにここでゆっくりしようか」
あまりの人の多さにそう提案し、先へ進むことに。
これがけっこうな失敗だった。
思い返すと、6時に出発してから座って休憩したのは太鼓岩だけ。
ここで休憩すべきだったと後ほど悔やむ。
後ほど悔やむから後悔なんだね。
せめてご飯を食べるべきやった。
めずらしく反省した理由は、
この後の登りがまた急だったから。
もう機械的に足を動かす状態。
でも、こんな看板みたらテンションが上がるのは仕方ないところ。
登山口からの距離でいえば倍以上あるのに、
テンションの赴くまま、登れ。登れ。
止まるときつくなる&ガイドによる集団が多すぎて止まりにくい。
5人くらいのグループならなんとかなるけれど、
ガイドするグループが2つ3つ繋がるとそれはもう集団だ。
ガイドさんによっては申し訳なさそうにしてくれる人もいるけれど、
感じが悪い人がいたのも事実。
ガイドを頼まず単独で登っている人間は邪魔と言わんばかりの人もいた。
登る人と下る人。
基本的には登る人が優先だけれど、
場所によっては待たないと厳しいかなと思える場所もあり、待ていたら
「あいつらはルール知らんなぁー」だの
「兄ちゃん、こっちが優先なんやからタイミング見て、とっとと登ってや」
など言われる。
先の予想ができればある程度そうしとるっ−ねん。
確かに下りなのにどんどん来るおっちゃんもおったけど、
彼らは「ありがとう」ってお礼言う人がほとんどやったで。
お礼とか挨拶せんのはたいていガイド付きの人ら。
こっちが「ありがとう」やら「こんにちは」言うても、
返事してくるんはガイドさんだけやった。
ガイドやって言うなら、そのへんも教えようや。
…もし教えてても言わんのやったらごめんなさい。
ちょっとイヤな気分を抱えながら、大王杉で休憩。
太鼓岩で一緒になった女の子も1人来る。
他の2人は後ろの方らしい。
1人登り始めからしんどい言うてたしなぁー。
今後、彼女らの友情がどうなるのか気になるとこだ。
ここで非常食のチョコレートを食べる。
甘いものって力が出るね。
弁当を食べようか迷うけれど、
あまりに人通りが多いので、やめておく。
汗をかきすぎたので、
身体は塩分を求めているんだけどね。
これだけ汗かいたのどれくらいぶりだろう。
軽く走ったりして汗はかくことはあったけれど、
あくまでも健康マラソン程度の汗だったし、
汗をかいたうえで、さらに運動することって、
学生時分以来ないことに気付く。
くさい汗を流しきって、フェロモン入りの汗を流してた気がする。
この状態ならいつもの1.5倍モテるな。
大王杉の写真も、ガイドツアーの人らがどんどん並んで撮っているので、
後にしようと決め、先にすすむことに。
11:58
夫婦杉
ちょっと角度が悪いな。
2本の杉が手をつないでいる。
根がつながることはよくあっても、
枝同士がつながることは珍しいらしい。
後ろでガイドさんが言ってた。
渋滞しているので、聞く気がなくても聞こえてくる。
12:27
縄文杉!!
でかいよ。
この近辺は大渋滞。
ガイドさんによる交通規制がひかれる。
「ここから4人ずつ並んでくださーい」
並んで順番に写真を撮っていく。
自身のお客さんの写真は撮っても、
協力したオレらに「写真撮りましょうか?」の一言はなし。
むしろ、早くどけという雰囲気。
なんだかなぁ。
もちろんお客さんじゃないんだからサービスしてくれる必要はないんだけれど、
そちらの要求に応えて協力しているのに、
その態度はあんまりだな。
これまでの道で出会った木々に癒されたけれど、
縄文杉ではそんな気持ちになれなかった。
よくある観光地だなと感じてしまった。
もう1度、今度は人が多くない時期に来ないと、
ここの真価は分からないんだろう。
そう感じることができただけでも意味はある。
あまり縄文杉でのんびりする雰囲気でもなかったし、
逆に疲れてしまいそうだったので、
すぐに撤収することに。
ああ、腹減った。
弁当食いたい。