屋久島旅行記 1日目  放浪編

食後は宮之浦の町をちょっとうろうろ。
汗ばむくらいの陽気だけど、日陰に入れば、一気に涼しくなる。
まるで日本らしからぬ気候。
ちょっと沖縄に似ているかも。
1年のうち300日くらい雨の島と聞いていたけれど、港近辺は晴れている。
いい天気だ。
でも3日間、常に山岳部には雲がかかっていた。
場所によって気象の差が激しいのだろう。
少なくともある程度の雨量がないと苔の維持できないしな。





















散策すると植物が日本本土とは違うと実感。
見事に咲いたブーゲンビリアやらバナナやら。
ちょっとした南国気分を味わえる。
実際、この島の低い部分は南国なのだろう。
植物や家のつくりを見ると、
高知県南部や沖縄と共通の部分をいくつか発見できる。
そういえば、高知県も高低差が激しい県で、
四万十川に沿って山岳部に向かうと、
見事な苔を見ることができたな。




観光客のマナーに問題が多いらしい。
この看板を見るとおそろしく思う。
公園でキャンプ禁止の看板出さないといけないって…
しかも言語が4種類。
すべてを禁止しているわけではないと思うけれど、
一部の迷惑な人のためにこんな看板を見なくてはいけないのは残念でならない。
法的になんとかできないものかな。
これからの時代、日本にとって観光は大きな収入源になる。
それはもう間違いのない事実だろう。
英語や中国語を話せるサービスもいいだろう。
でも、それ以上に上質な顧客を求める必要があるのではないだろうか。
観光客個々の旅慣れ具合、
悪い言い方をすると旅レベルは決して均一でない。
ではどのようなお客さんに来ていただきたいのか。
その意思表示はすべきだし、
その意志が伝わりそれでも来日してくれる人こそ親日家と言えるのではないだろうか。








レンガ状の道を歩いていると、
屋久島の代表的なものを紹介しているのが分かる。
けっこうこの紹介レンガやら紹介マンホール好きだわ。
それだけが理由ではないけれど、初めて行った街では
ついつい足元に注目してしまう猫背なボクがいる。

ぐるりと歩き、
このまま宮之浦にいても見るものない状態になったので、
思い切ってバスで遠出することにした。
特に目的はなく永田行きのバスに乗り込む。
適当なところまで行って、適当なとこで降りて、
折り返してきたバスにまた乗ろう。
もしイマイチだったら志戸子のガジュマル公園へ行こう。
普段の自分ならしない行動やけど、幸ちゃんの意見を採用して実行。
これがかなり良かった。
目的地がないんで、行き先案内を気にすることがない分、
ボーっと外の風景を見ることができた。
宮之浦はそうでもなかったけれど、
屋久島の海は綺麗だ。
そして山の緑は生命力に溢れている。
当たり前の情報かもしれないけれど、
ゆっくり何も考えずに周ることでそれを見て知ることができた。
結局、終点の永田まで行ってしまう。
バスが折り返すまで30分ほどあったので、
あたりを散策することに。




バス停そばに見つけた看板。
そうか。ここはウミガメの産卵場所なのか。
どこかで聞いた地名だとは思っていたけれど、
産卵時期が終わっていたのであまり気にしていなかった場所か。
理系のクセにいまいち生き物に興味がないのだけど、
いざ珍しい生き物がいる場所へ行くと心躍るのはどうしてだろう。
犬が苦手でなかったらもっと違うんだろうな。




海側を見ると永田川と海の合流地点。
せっかくだし砂浜へ行こうと歩き出す。
永田川はとてもきれい。
泳ぎたくなるな。
この島では山方面の魅力が強すぎる。
果たしてこの島で泳ぐ日が来るのだろうか。





永田前浜はまさに海ガメに会える砂浜だったんやね。
車馬等乗り入れ禁止という言葉すごく久しぶりに見た気がする。
そもそも海岸に車で入ることが間違いやと思うんよな。




砂浜は高低が激しい。
こんなところで海ガメは産卵しているのか。
お腹に卵を入れて、産卵前最後の登り坂。
大変だな。素直にそう思う。
そしてこれまた綺麗な海が目の前に広がる。
エメナルドグリーンの海。
これは途中で焼酎でも買ってきて、
の〜んびり海を眺めながら呑みたかったな。
そんな贅沢な時間をつかいたいと思える場所のはず。
でも、なぜかこの海ではそこまでそういう気分になれない。
どうしてだろう。
あまり長居してはいけない場所に感じた。
怖い話苦手なんで調べないけど、興味ある人は調べてみてください。





まだまだ暑い日が続くのだけれど、
ヒガンバナを発見。
着実に秋は近づいているんやね。

今回歩いていった道を反対の山側に行くと横河渓谷があったらしい。
こちらも水着がいるスポットやったみたい。
でもってバスで来た道をさらに進むと西部林道になるらしい。
下調べせずに来ると、
普通だったらついでに行くだろうって場所に行かなかったりする。
でも、それが本来の旅の形なのかも。
そこに至るまでに耳にした情報がすべて。
そんな旅を楽しめるようになる日はくるのだろうか。
よっぽど旅慣れないと難しいかな。





このあたりの家もちょっと本土とは違う印象を受ける。
本土より沖縄より。
興味はつきないけれど、ちょっとのんびりし過ぎてバスまで走った。
特に何かあったわけではないんだけれど、
のんびりさせてくれる空気を持った島だ。



折り返すバスに乗り、再び宮之浦へ。
登山シューズを用意していなかったので屋久島観光センターでレンタル。
大抵のものはレンタルできるのも屋久島の魅力の一つかもしれない。
ここでのトレッキングのために全装備をそろえるのは大変やし、
それこそ、その気になれば思い立ったその日…
その次の日に屋久島に来ても大丈夫。
登山シューズだけでなく絵葉書やらちょっと気になった土産物も購入。
明日、トレッキングの後、元気に買い物できる保障ないからな。
軟弱者には軟弱者なりの生き方があるのだ。


登山シューズや土産を手に宿にもどる。
それほど大変なことはしていないにも関わらず、
けっこう汗をかいていたので風呂に入ることに。





風呂を溜めたり、幸ちゃんが入っている間に手紙を書く。
あまり大したことは書いていないけど、思いついたことを一所懸命書く。
あぁ、文才が欲しい。
9人分のハガキを書くのに1時間近くかかった。
ブログやらの存在を知らない友人に向けて送る。
すごくタイミングのいいメールをしてきた直哉に送ることになったけど、
そのタイミングも彼の持ち味の一つなんだろう。
受け取った人がちょっとでも喜んでくれたら嬉しいけど。