中国地方野外研修ツアー 4
自信喪失状態のぼくを乗せバスは走る。
気がつけばしまなみ海道を渡り因島へ。
人生3度目の因島だ。
因島北ICでおり島北東部の梶ノ鼻近辺、山中でバスを降りる。
まさか道なき山を登っていくのか!?
と想像したことはちょっとだけ正解。
正確には、
下りたところは海でした。
良い子はきっと分かっているはず。
個人旅行でしちゃ駄目。少なくとも2人以上でですよ。
仲間がいても潮の干満などしっかり下調べしないとしちゃ駄目ですよ。
おっ、目的の地層が見えてきた。
こいつは見つけやすいので分かった。
失った自信を少し取り戻す。
因島周辺は、粘板岩と砂岩を主とする古生層と、
中生代白亜紀の花崗岩類、
低地に堆積している沖積層から成っているらしいです。
専門家はすごいな。
板を積み重ねたように見える粘板岩を貫いているのが流紋岩の大岩脈。
露頭側(写真手前側)は波に侵食され、砕けたものが多く見られる。
普段、自分たちが生活している時間で見れば変化していないように見えるけれど、
地球の時間で考えると少しずつ変化してるんやね。
岩石ハンマーを借りて一部採取。
転がっているものは大きく重いので、ちょっと無理がある。
持てんし、置く場所がない。
砕いたこいつはお土産にすることに。
気になる石が多すぎて、一つひとつ持ってみては考えるわけだ。
なぜなら一つひとつが重いから。
体力ないモヤシっ子は選択を迫られるわけです。
地学の知識なしでも、
この近辺は散策していて面白いな。
海岸に沿って、南東へ移動していく。
そこにも大岩脈がある。
これは100m以上続いているとのこと。
「ここならヴァージンロード代わりに使えるかもね」
「どれだけ愛していても、その一言で冷めるね」
同行していた大学生さんと、微妙な会話を交わしながら進む。
この大岩脈は枝分かれしていて、
幅の広い部分と枝分けれした先端部分では
先端部分の方が、結晶が最粒状になっている。
ちょっとしたペイント作品のようになっている部分もあり、
見ていて飽きない。
「時間がちょっと厳しいので急ぎましょう」
と言われても、足場が悪くなる一方だわ、
見るものは多いはで、
足取りが速くなるはずもない。
皆、マイペース。
このあたり実に理系。
ごめんなさい幹事さん。
鏡浦町を経由し、
厳島神社の裏っ側。
たどり着いたのはもう入り組みすぎて、何がなんだかってなところ。
ジェラ紀の泥岩層を花崗岩質岩脈とランプロファイアー岩脈が貫いているらしい。
こちら広島県天然記念物。
採取等してはいけない場所です。
ぼくらもこちら側では採取していません。
写真に写っている人が岩石ハンマー持っていて、ひーっ!!と思いましたが、
こちらに移動する前、神社前で再度の注意があったので、持っているだけのはずです。
はい。そのはずです。
ガイドの看板。
調べているうちに詳しいページ発見。
採取した岩石を持って、けっこうな距離を歩いたのでさすがにキツい。
この日の野外観察はこれで終わり。
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