Cocco-エメラルド

Coccoを知ったのはブーゲンビリアが発売されたとき

ブーゲンビリア

ブーゲンビリア

1997年ってことは13年前か。
もうずいぶん昔だな。
あまりそんな気はしていなかったけど、
そのままクムイウタ、

クムイウタ

クムイウタ

ラプンツェル

ラプンツェル

ラプンツェル

サングローズ、

サングローズ

サングローズ

と聞いてきて、そこでいったん終わった。
彼女のなかにある怒りや絶望などが
作品を出すごとに、吐き出すことによって少しずつ浄化されていくのを感じた。
同時にどんどん吐き出すことさえ苦しくなっているようにも感じた。
共感されることへの拒絶さえ感じた。
いったいどんなアーティストだよって思った。
少なくとも有名になりたい、注目されたいってアーティストではなかった。
このままある日、死んじゃうんじゃないのと思っていたから、
活動休止は必然だった。
その後の方向転換は正直、訳が分からなかった。
沖縄っていったいなんなん?
中学生の修学旅行程度の知識しかないボクには理解できないものだったし、
理解する気も起こらなかった。
何が嬉しくてエコ活動始めるんだ。
その結果、自身の嫌う偶像にされるだけじゃないか。
そんな思いがあった。
SINGER SONGERなんだそりゃ?

ばらいろポップ

ばらいろポップ

ポップ作品としては良作だと思ったけれど、
Coccoが歌う意味があると思えなかった。

ザンサイアンは買うだけ買った。

ザンサイアン

ザンサイアン

きらきらは買う気さえおこらなかった。

きらきら

きらきら

一応、レンタルした。
でもほとんど聴かなかった。
今でも聴いていない。

気持ちに変化が起こったのはこっこさんの台所だ。

こっこさんの台所CD

こっこさんの台所CD

もともと季節色の多い作品の彼女が季節をテーマにCDを発売する。
気になった。
発売当初、配信限定だったことも自分にとっては幸いだった。
クリック1つで買えるんだもの。
お酒の勢いでクリックしてたよ。
この時期、勢いで色々なもの買ったなぁ。
そのせいで成人してから初めて沖縄に行くことになった。
中学生の頃には感じれなかった沖縄を感じた。
直前に友人が亡くなったことも無関係ではないだろう。
それでも日々は続いた。
正直しんどい日々だった。
その日々のなかでこっこさんの台所の1曲、絹ずれが妙に気になった。
歌詞がえらく耳に残る。

秘かに想うのは自由だろう きれいだろう
手を下したら もう罪だろう 汚れるだろう

生きることの辛さはこれまでも歌ってきた。
でもあまり聴かなかった2枚のアルバムで美しさを身につけたのかもしれない。
これまでよりも地に足がついたそんな歌に感じられた。
4曲入りにも関わらず、この絹ずればかり聴いていた。

仕事がバタバタしはじめ、
更なる不幸が起こり、もうどうしようもない状態になったのが夏の始まり。
精神的にどんどんしんどくなるのが分かった。
どんどん駄目になっていくのが分かった。
その結果、大きな過ちも犯した。
大抵のことなら笑い話にできる自分がまだ笑えないような過ちを。
破綻した。
その結果、少し時間がもらえた。
執行猶予っていうのかな。
そのタイミングで発売されたのがエメラルド。

エメラルド(初回限定盤)(DVD付)

エメラルド(初回限定盤)(DVD付)

数年ぶりに時間だけがある夏だった。
なのでさっそく購入した。
絹ずれ〜島言葉〜が入っていることも購入の理由の1つだ。
沖縄を愛しながら、
その言葉をあまり用いることがなかった彼女が島言葉と明記した。
きっと彼女のなかでも何かが起こっているのだろう。
まだ歌詞は見ていない。
でも聴こえてくる言葉が身体に入っていく。
音が身体に入っていく。
そんな音楽が鳴っていた。
ずっとこのアルバムばかりを聴いている。
久しぶりに音楽に救われ、背を押されている気がする。
そんな力を持った1枚だ。