扉をたたく人

扉をたたく人』という映画が
TSUTAYAのミニシアター系のコーナーにあったので手にとってみた。
ストーリーなんかはあちこちにあるので、
ググってもらえばいいかな。
主人公の大学教授にとっての音楽とはなんだったんだろう。
その点について思いを巡らせながら見てみた。
亡き妻はピアノが得意だった。
その関係から聴く音楽はクラッシク。
そして自身でもピアノを弾きたいから習う。
しかしそううまくはいかない。
楽器との相性ってのは確かにある。
彼にとってピアノは相性がいい楽器とはいえなかったのだろう。
妻を失うと同時に失ったものは一体何か。
情熱?勇気?
少なくとも彼は大学教授という職にありながら、
講義への熱、生徒への熱、研究への熱は失ってしまっていた。
今の自分の仕事柄、講義への熱を失うという部分はなるほどと思えた。
一度、作ってしまえば、授業なんてものは成立する。
あくまでも最低限ではの話だけれど。
失ってしまったものを取り戻すのは容易いことではない。
それでも人は生きている限り、
前へ進もうとする。
主人公は偶然にもそのきっかけを得た。
ジャンベという楽器と出会うことで。

物語のテーマとして9.11以降のアメリカが抱える移民問題
そして人権問題があることは確かだろう。
でもそれ以上に、
アメリカが、先進国がかかえるどう生きるか。
職に対する意識を問いかける映画にボクは思えた。

扉をたたく人 [DVD]

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後味は決してよよくないけれど、
見る価値はある映画だと思う。