ONE PIECE FILM Z

行くだろうな。
思ってはいたものの、公開2日目に見に行くとまでは考えてもいませんでした。
人ごみ苦手人間としては、公開1,2週間後がベストです。
にも関わらず、映画館へ足を運んだのは、
Facebookで何人かが行ったことを知ったからでして、
万が一、ネタバレでもされたら悔しいじゃないですか。
行こうと思ったものの、
夕方には面倒くさくなっていたのは秘密で、
午前中のうちに、席をネットで予約していたのが功をなしました。
ものぐさ人間には予約をおススメします。



マンガは読んでいるものの、『STRONG WORLD』を見に行ったくらいで、
アニメはほぼ見たことがなかったりします。
それを見て一番に感じたこと、
エピソードをふんだんに盛り込めるマンガとは異なり、
1つの物語を2時間でうまくまとめるのは難しいなってことです。
今回の作品でも、同じように感じる部分はあったものの、
格段に物語に見応えがありました。
『STRONG WORLD』の敵役金獅子のシキより
『Z』のゼットの方に感移入しやすかったのが大きな点でしょう。
誤解を恐れずに言うと、
この映画はルフィーをはじめとする麦わらの一味ではなく、
ゼットが中心であり、
物語の関係で深みに欠けるものの、
彼を慕う人々こそが主役である。


少年漫画の主人公としてのルフィーを中心に描かれる本編からは想像しにくいものの、
本質的に海賊とは悪。
主人公に対し海軍はどうしても敵役になるけれど、
本来は彼らこそが正義です。
描かれることはないだろうけれど、
様々な惨劇があるはずです。
それでも、そこにいて正しいと信じることを行う。
海軍に所属する人間として正しい姿です。
そのなかで自分のできることを行い、後進を育て上げたゼット。
ひとつの不幸を乗り越えようと、それで終わりでないのが人生。
更なる不幸にも立ち向かっていく人間だからこそ、
仲間もついていく。
創作でありながら、創作であるからこそ、
1人の魅力ある人間が描かれていました。
そんななか、彼にとってどうしても許せないことが起こってしまう。
個人の力では止めることのできない、
大きな組織だからこそ起こりうる決定。
組織に所属し仕事している人間であるからこそ、
彼に共感できた気がします。
彼ほどの行動力も力もないけれど、
同じ状況におかれたら、どうするだろう。
ついつい考えてしまいました。
このあたりは、
マンガでもおもしろかった三大将のかかげる正義
『徹底的な正義』
『どっちつかずの正義』
『だらけきった正義』
に通ずるものがあるかな。


物語を通じて、
見たゼット像は、正義の味方という面よりも、
師という面が強く、
それは海兵でけでなく、海賊に対してもであるという点が特におもしろかったです。
もう1度、見てみたいかな。


ワンピースフィルム ストロングワールド 【DVD】

ワンピースフィルム ストロングワールド 【DVD】